「型を身につける八極拳」(青木嘉教・著)
は彼のオリジナル套路である

トップページに戻る



愛隆堂からDVD付きの八極拳の書籍
「型を身につける八極拳」(青木嘉教・著)というのが出た。
このHPを作るにあたり、系統をはっきりさせるべく推理。
はたしてこれはどこの系統の八極拳なのか?

結論を言うと、

「呉氏系八極拳と李書文系楊圭山派を足して作ったオリジナル」
という見解に達した。

あとはその考察であるので頭痛注意で読んでください。


まず、この本は題名通り、
型を詳細に説明する本である。

だのに、その本の中には、肝心のその型が、どこの系統の八極拳なのか、という事が
説明されていない。

著者の前著「八極拳 秘伝にせまる」では、
著者が李書文系楊圭山派を習っているので、
それだと思っていたのだが、
よくよく見ると、それでは不合理な部分が出てくる。

まず頂肘動作には衝捶は付加されていないので、羅瞳のやりかたである。
(呉氏小架二路は羅瞳小架の元だそうなので羅瞳に分類しておきます)

李書文は羅瞳張家伝八極拳に羅漢打虎式の動作を加えている。
(武壇では蟒蛇纏身という技)
ところが当書籍の小架ではその動作がない。
李書文系では今のところ全門派にある技なので、違う。

該当部分は孟村呉氏のしかも新架一路の動作になっている。
(孟村老架ではやらない採手動作がある)

二度目の頂肘のあとは、
「上歩跨打-危膝栽拳」とあるが、一般の技法名に直すと
二郎担山-旱地トウ船-跪膝
おもいっきり孟村のやりかたである。
ちなみに、二郎担山の部分は、羅瞳では、
撞掌あるいは抱肘あるいは伏虎という技である。
二郎担山は今のところ羅瞳系では一つもやっている門派はない。
ついでに言うと、「八極拳 秘伝にせまる」では、
楊圭山派の小八極では抱肘をつかうと明言されている。
であるので、抱肘動作のない当書籍の小架は、楊圭山派ではない事になる。

次の旱地トウ船の動作も、
呉氏新架一路以外はすべて開掌動作でやっているが、
当書籍では、握拳でおこなっている。
(つまり呉氏小架一路以外にはやらないはずの動作を羅瞳の套路に混ぜている)

以上、考察終わり。

作者自身、おそらく呉氏系八極も、羅瞳系も習っているであろう故、
合成してオリジナルを作っても間違いではないが、
一応、ちゃんとその旨は注意書きとして明記しておいて欲しかった。
(系統分類をやっていてえらい混乱してしまった。)



トップページに戻る



inserted by FC2 system